「納戸の扉を開けたら、着物がたくさん入った桐箪笥が何棹も並んでいて…」
そう語るのは都内で親子3人暮らしをするSさん。大工をしていた曽祖父が建てた築100年の古民家を、リノベーションして自分たちの新居にするという大プロジェクトに取り組むことになりました。
その過程で直面したのが、曽祖父、祖父、父、3世代分の荷物の山。1000平米の土地に建つ240平米という広大な家には、7人兄弟だった祖父の世代では10人が暮らしていたこともあるくらい、家族の歴史が詰まった品々が隅々まで埋め尽くされていました。

家族の歴史が積み重なった大量の荷物をどうする?
家族の歴史が積み重なった古民家
リノベーションを始めるにあたり、まず直面したのが家中に溢れる荷物の整理。当初は父が「自分の実家だから」ということで少しずつ片付けを進めていましたが、着工の予定も決まっているなか、だんだんと「間に合わないかも」という危機感が高まり、Uさん夫婦も本格的に片付けに加わることに。

使われていない部屋に置かれていた大量のモノは運び出すだけでも一苦労
「業者に依頼するという選択肢もありましたが、お父さんは『できるだけお金をかけたくない』という気持ちや「まだ使えるモノや、価値があるかもしれないモノを捨てるのはもったいない」という思い入れもあったようで……1人で進めていましたが、実際の作業は予想以上に大変だったみたいです」とUさんは振り返ります。外部に依頼すると2tトラック1台で3〜4万円の配送料がかかるとして、物量を考えれば10万円以上の費用が見込まれます。
では、自分たちだけでどのように膨大な荷物を2ヶ月で片付けたのでしょうか。

リノベーション着工期日が差し迫るなか、2ヶ月でスムーズに片付けた方法とは?
実家の片付けは、全部出して仕分ける作戦
広い家に散らばる3世代分の荷物を前に、Uさん夫婦は眠っていた品々を全て引っ張り出しました。長年開けられていなかった戸棚やタンスの引き出しを開けると、中からは古い着物や日用品、書類の束が次々と姿を現しました。それらを広い畳の間に並べていくと、あっという間に床一面がモノで埋め尽くされていきます。

まずは広い部屋にモノをどんどんと出して仕分けを進めることに
「とにかく全部見えるようにしないと判断できない」という考えのもと、週末ごとに実家へ通い、荷物を一つひとつ広げていきました。隠れていたモノと向き合ってみると、「多趣味な人がいたんだな」とか「几帳面な性格の人がいたんだな」とか、ご先祖さまの性格や暮らしぶりも垣間見えるのも面白かったそうです。
全てのモノが出そろったら、次は仕分け作業です。Uさんたちは大きく4つの分類を設定しました。「捨てる」「残す(新居で使う)」「売る」「保留」。迷ったモノは一旦「保留」に分類し、後から再検討することにしました。この分類作業と並行して、食器やインテリアなどはSNSで友人たちに譲れたおかげで、結果的に捨てずに済んだモノも多くありました。

食器やインテリアは友人たちにお譲り
年代物の着物はサマリーポケットで保管
Uさんの妻は着物好きということもあり、出てきた着物のうち虫食いやシミがついていない良いモノは手放さずに手元に残しておくことに。しかし良い保管場所がなかったため、宅配収納サービス「サマリーポケット」スタンダードプランのラージボックスを2箱オーダー。帯や草履などの小物も含めて、まとめて預けたそうです。

とっておきたい着物類をサマリーポケット・スタンダードプランで預ける
「着物は新居に入りきらないかもしれないけれど、SNSに載せたら着物好きな友達が『ほしい』と言ってくれたので、リノベーションが終わったらお友達を呼んで譲ることも考えています」
この作戦で、母屋の荷物は最終的に「0」に。家の中を完全に空っぽにすることができました。もちろん一部は納屋に移動しただけですが、全体量としては大幅に減少。それでも10分の1程度には減らすことができました。

たくさんの着物類を、サマリーポケットに預けることでリスト化もできた
子供達に残していきたい家とモノ
捨てるモノは父親とその友人が車に乗せて廃品センターに何度も運び出しましたが、高齢なこともあり重いモノの搬出入は大変だったとのこと。また、近隣の古道具屋に譲った家具が後で何倍もの価格で売られているのを見て口惜しいと思う場面もあったそうですが、「時間と労力を考えるとしょうがない」と割り切っています。

時間がないので価値がありそうな家具も手近なところで処分
最終的に残したのは、仏壇や神棚、遺影などの信仰に関わるモノ。これらは新居にも引き継ぐ予定です。

神棚などはリノベーション後の新居にも再利用
片付けを進めるなかで、Uさんが感じたのは、仕舞い込まれて日の目を浴びることがなかったモノの虚しさでした。
「結婚式の引き出物でもらったモノ、粗品のタオル、お客様用の食器…新品のモノが結構多く出てきたんです。いつか使うだろうと代々しまわれてきたモノが、しまわれたままどこにあるかもわからなくなって、積み重なってこの物量になっているんだなと。本当は使いたい場面もあったはずなのに、でも結局使われないまま。それがちょっと切ないというか……」
広い収納があるからこそ、しまったまま忘れ去られていくモノの存在。この経験からUさんは「私たちが歳を経るごとに、モノの持ち方を見直して、大事にしたいモノを大切にできる状態にしていこう」と感じたそうです。

子供たちに残していきたい大事なモノを、しっかり管理して保管したい気持ちに
「実家の片付けやリフォームなど、とにかくモノが多い片付けの時はサマリーポケットやトランクルームなどの外部サービスに荷物を預ける方法も有効だなと思いました」

引き継いだ着物は空調がしっかり効いたサマリーポケットで保管して、大事に着ていく
今回の片付けで利用したボックス
2025年6月公開
※記事内のサマリーポケットの情報はすべて公開時のものとなります。料金・プラン等は変更となっている場合がございます。