おさるランド&アニタウンをはじめ、動物と人が織りなすエンターテインメントを全国で展開する株式会社おさるランド。所属する90頭ものサルたちの衣装管理という独特の課題に対し、宅配収納サービス「サマリーポケット」の導入でどのように解決したのか、座長の瀬賀雄介さんにお話を伺いました。
日光さる軍団が、
動物たちの魅力を伝える施設へと進化
— おさるランド社では、どのような事業を行なっているのでしょうか?
2015年4月に日光さる軍団を引き継ぎ、『おさるランド&アニタウン』として新たにスタートしました。当初は東京都に事務所を構え、外での大道芸を主体としていましたが、現在は施設でのステージ運営も行っています。
サルは動物の中でも人気が高くなく、どうしても凶暴なイメージを持たれてしまうことが多いため、カピバラ、ペンギン、ヤギ、ヒツジ、モルモット、ウサギなど、様々な動物たちの楽園を作ることにしました。かわいい動物に会いに来たお客様に、合わせてサルの魅力も知っていただけたらと考えています。今後は動物たちの身体能力の高さや能力を活かし、モルモットのレースやペンギンのハードル飛びなど、新しいエンターテインメントも展開していく予定です。

サルの魅力を色々な形で知ってもらうための場に
— どのくらいのスタッフが、どのように働かれているんですか?
パフォーマー、園内スタッフを含め、全部で50人ほどが在籍しています。サルは90頭おり、ベースは日光ですが、全国各地に出張して活動しています。
『おさるランド&アニタウン』では、平日は1日3ステージ、土日は4ステージを実施しています。メインステージでは現在、360度プロジェクターを使用した海賊の物語を上演しています。その他にもサル同士のサッカーや、1対1のコンビによるパフォーマンスも行っています。
また、日本全国で大道芸も展開しており、桜の時期、お正月、クリスマスシーズン、紅葉の季節など、各地の観光スポットやイベントに合わせて活動しています。各地のイベントでは長期の出張公演にも対応しています。
— 様々な場所で、多様なパフォーマンスを披露していると衣装や道具などはかなり多そうですね。
そうなんです。実はサルたちの衣装は7〜8畳の倉庫を天井まで棚で埋め尽くし、タワーのように積み上げて保管していました。サルの体格は80cm、90〜100cmへと2ヶ月もしないうちに変化してしまうため、多くのサイズの衣装が必要になります。

サルの体格や季節やトレンドにあわせた、様々な衣装を保管・管理している
また、季節やイベントによって必要な衣装も変わります。たとえばオリンピックシーズンになると、スポーツ関連の衣装の需要が高まりますが、どの競技が注目されるか予測できないため、様々な競技の衣装を用意しています。さらに、どのサルがその衣装を着ることになるかもわからないため、複数のサイズを保管する必要があります。上下のサイズも人間と違い、必ずしもセットにならないという特徴があります。足の長さが限られているため、上半身と下半身で異なるサイズの組み合わせが必要になることもあります。
さすがに管理と収納場所に限界を感じていたところで、宅配収納サービス「サマリーポケット」を使うことを決めました。
膨大な量の衣装管理を
サマリーポケットでDX化に成功
— 保管・管理をサマリーポケットに決めた理由はなんですか?
代表が個人的に服の衣替えでサマリーポケットを利用しており、シーズンごとの出し入れがスムーズにできることから、業務での活用を提案しました。
それまでは倉庫に置いてある衣装を自分たちで撮影して、写真をエクセルで作った衣装管理台帳に貼り付けて管理していましたが、誰かが持ち出した後、同じ場所に戻されていなかったりでデータが更新されず、探すのに大変な労力がかかっていました。倉庫から衣装の入ってる箱を引っ張り出したものの目当ての衣装が見つからず、膨大な時間がかかり無駄な作業の繰り返しでした。

自分たちで写真撮影をして管理していた衣裳管理台帳
— 確かにそれをヒューマンパワーだけで解決するのは難しそうですね。
2024年9月からサマリーポケットの利用を開始し、これまで倉庫にあった衣装の8割ほどを預けました。預けた衣装は洗濯済みのものでサル用が7割、人間用が3割の割合です。
公演で使う衣装は、毎回代表とどのサルにどれを着せるかというのを確認しているのですが、以前は自分たちで撮影した写真を見ても、しまってある場所がわからず、使いたい衣装が探し出せないことがありました。サマリーポケットのスタンダードプランは、写真付きで管理できるので、アプリで写真で探して確認して、使いたい衣装を取り出し依頼するだけで済むようになりました。コンビで出るステージ衣装も、男の子のサルか女の子のサル、パフォーマーの雰囲気に合わせて、アプリ上で確認しながら選べるようになって、とても楽になりました。

サマリーポケットに預けるだけで、写真撮影もリスト化も実現
— 衣装はかなり量が多かったと思いますが、一気に預けられたのでしょうか?
9月の時点では、まず最初にラージボックスを1個頼んで、サイズの確認をしてから預けました。それで問題ないことが確認できたので、その後は何回かに分けてボックスに詰めて預けています。
この夏のイベントで使用したハワイアンテイストの衣装はすでに預け終わっていて、これからはハロウィンの衣装を預ける予定です。このように、年に1回しか使わない季節衣装を効率的に保管できるようになりました。衣装の預け入れ方も、最初は15箱ほどからスタートし、今後さらに預ける衣装を追加していく予定です。
現在は日光の施設での出し入れが中心ですが、桜のシーズンなど1ヶ月ほど長期の出張公演がある場合は、現地への配送も検討しています。サマリーポケットは、登録している住所と違う場所に配送先を指定できる点も便利ですよね。本社は赤坂にありますが、施設は栃木県にあるため、色々な場所で臨機応変に預け入れ・取り出しが出来るのもメリットだなと感じています。

ラージボックスでしっかり洗濯した衣裳をまとめて預けた
誰にとっても働きやすい環境づくりを
— サマリーポケット導入後は、衣装管理がどのように変わりましたか?
現在は3人のスタッフでアプリを共有して運用しています。クリスマスシーズンには園内と大道芸用のサンタ衣装が必要ですが、アプリで確認して箱ごと取り出せるようになりました。「これ革命ですよ」と、スタッフで言い合っています(笑)。
預け入れの際も、ジャンルごとにある程度分類はしていますが、写真管理のおかげで、他のジャンルの衣装が混ざっていてもストレスなく探せるようになりました。また、1点ずつ写真撮影して管理することで、必要な衣装を単体で取り出すことも可能になっています。

使いたい衣装を一覧から探して取り出し依頼をするだけになり作業効率UP
今後は、季節の装飾品や研修生用の寝具なども預けることを検討しています。装飾品については写真なしのプランの利用も視野に入れており、倉庫のスペースを有効活用することで、置き場所がわからなくなるという問題も解決できると期待しています。
— 研修はどういった形で受け入れられているんですか?
全国の動物専門学校から研修生を受け入れています。研修期間は人によって異なり、短い人で1週間、長い人で2週間から1ヶ月ほどです。動物相手の仕事なので朝が早く、研修生は寮に泊まり込みで、朝7時から掃除などを始めます。特に12月〜3月は、新卒での就職を希望する学生が多く訪れる時期です。9月〜10月にも受け入れていますが、2月〜3月には直前で滑り込んでくる学生もいます。
研修が終わってパフォーマーとして採用されると、若手スタッフは最初に1頭のサルのパートナーとなり、家族のような関係を築きながら芸を磨いていきます。国から特別な許可を得て、サルの逃走防止設備を備えた環境で24時間を共に過ごします。動物と心を通わせるため、夜は枕元にサルの小屋を置いて一緒に寝るなどして、深い絆を築いているんですよ。

人間とサルがパートナーとなって寝食を共にして芸を磨く
— なるほど、それで期間限定の寝具が必要になるんですね。
研修生用の寮があり、寝具の管理が必要ですが、人数も時期も、毎年変わるため必ずこの個数が必要になると決まっているわけではありません。なるべく清潔な状態で使ってもらい、住環境や眠りの環境も良くしてあげたいので、研修が決まったら準備を整えるのですが、逆に研修生がいない時期は寝具の置き場にとても場所をとられていまして。これをサマリーポケットで管理できるようになったらいいかもしれないと、最近検討しています。
— 新しく来る方々にとっても、働きやすい環境にできそうですね。
そうですね、実は研修生が希望する業務もどんどんと広がってきているんです。サルとのパフォーマンスを目指す人もいれば、カピバラやペンギンが好きで飼育係(キーパー)になりたい人もいます。また、ステージ運営に関わる技術スタッフとして、道具作りや衣装制作を担当することもできます。研修後は各部署で選考を行い、必要な人材を採用しています。あまり、こういう職業ってどうやってなるのかが公表されていなくて、私自身も動物の専門学校に行けば、サルのパフォーマーになれると思っていました。でもきちんと研修に合格できたらいいので、高卒でも入れる道もあるんです。
さらにおさるランド&アニタウンが、人間にとってもサルにとっても居心地のいい空間になるために、サマリーポケットなどを活用しながら、よりよい形に改善していけたらと想っています。

保管・管理業務を効率化することで、働く環境の改善にも役立つ
備品や在庫をサマリーポケットで管理して、DX化を簡単に実現してみませんか?
2025年1月公開