日々の業務に追われる中、備品や在庫の管理は後回しになりがちですが、効率的な整理・保管は業務効率の向上やコスト削減に直結する重要な取り組みです。
今回は、宅配収納サービス「サマリーポケット」の整理収納アドバイザーが、備品や在庫の整理・保管に関する具体的なポイントをご紹介します。
具体的な整理・保管3テクニック
1.ラベリングの工夫
物品の保管場所には、誰でも簡単に探し出せるよう、明確な表示をすることが大切です。品名や数量、補充時期などの基本情報を記載し、必要に応じてカラーコードやQRコードなども活用することで、より効率的な管理を心がけましょう。
【効果的なラベリングの例】
- 品名、数量、収納日や補充時期を明記
- 季節品は使用時期を記載
- カラーコードの活用
- QRコードの導入検討
2.在庫管理のデジタル化
在庫管理においてもっとも手軽に導入できるのが、Microsoft ExcelやGoogleスプレッドシートを使用した管理表です。管理表の基本として「入出庫管理」シートの作成がおすすめです。デジタル化した在庫管理を効果的に運用するためには、運用ルールの設定も重要です。
【在庫管理運用ルール例】
- 入出庫の記録は発生の都度行う
- 在庫数の実地確認は週次で実施
- 月末には必ず実際の在庫数と管理表の数値を照合
3.荷物保管サービスの活用
近年利用企業が増えているのが、サマリーポケットのような荷物保管サービスの活用です。これらのサービスは、社内の収納スペースに限りがある場合や、季節性の高い物品の保管に特に有効です。専門の保管施設で適切な温度・湿度管理のもと保管されるため、物品の品質維持にも効果的です。
後述する区分け【年に数回使用(ゾーンA)】 に該当するものは、特に外部の荷物保管サービスの活用をすることで、オフィススペースの最適化ができます。
また荷物保管サービスはクラウド型の在庫管理システムとしても活用できます。サービスを利用することで、現在の在庫や備品数が管理画面から一目でわかり、必要な時に必要な分だけを取り寄せることができます。荷物保管サービス「サマリーポケット」では、保管物品の写真データや管理番号による検索機能により、保管物の把握が容易になります。サービス上で指定住所への集荷・配送が指定できるため、本社オフィスと支店間での共同利用にも便利です。
荷物保管サービス 利用事例
モノ別ゾーニングによる保管場所の最適化
保管場所は、用途や使用頻度によって適切に区分けすることが重要です。年に数回程度しか使用しない物品は上段や奥の棚、または荷物保管サービスを活用し、月に1回程度使用する物品は中段の棚に、日常的に使用する物品は手の届きやすい場所に収納するなど、使用頻度に応じた収納を心がけることで業務効率の上がるオフィススペースを目指しましょう。
【年に数回使用(ゾーンA)】
オフィスの収納スペースの上段や奥まった場所、または倉庫や外部保管を活用します。
<該当する物品例>
- 季節性の高い備品(扇風機、ヒーター等)
- 年度初めの新入社員用備品
- 株主総会や年次イベント用の備品
- 防災用品(期限切れに注意)
- 社史等の保存書類
- 古い備品の予備・代替品
- 展示会や催事用の什器類
<おすすめの収納方法>
- 大型の頑丈なプラスチックコンテナ:重いモノや大きいモノの保管に
- 防水・防塵機能付き収納ケース:長期保管する重要物品の保護に
- 真空圧縮袋付きボックス:布製品や嵩張るモノの保管に
- 段ボール製の文書保存箱:書類の長期保管に
- 荷物保管サービス:利用頻度が少ないけど手放せないモノの保管に
【月1回程度使用(ゾーンB)】
オフィス内の収納キャビネットや棚の中段に収納します。
<該当する物品例>
- 月次報告書用の資料ファイル
- 経費精算用の書類、帳票類
- 社内行事用の備品(会議用名札、案内板など)
- プリンターのインクカートリッジ(予備)
- 郵送用の梱包資材
- 会議室用の予備文具セット
- 社内研修用の資料、教材
<おすすめの収納方法>
- 積み重ね可能なプラスチックコンテナ:サイズ別に揃えて効率的に収納
- ラベル付き段ボール箱:中身が分かりやすく、軽量で取り出しやすい
- 引き出し式の書類ケース:書類や帳票類の種類別管理に
- フタ付きの収納ボックス:ホコリや汚れから保護が必要なものに
【日常的に使用するモノ(ゾーンC)】
デスク周りや受付カウンター付近の手の届きやすい場所に収納します。
<該当する物品例>
- コピー用紙、プリンター用紙
- ホッチキス、テープのり、ハサミなどの文具
- 名刺入れ、封筒類
- プリンターのインクカートリッジ(使用中のストック)
- 社内用の領収書、申請書等の用紙類
- 来客用のコースター、お茶セット
<おすすめの収納方法>
- デスク引き出し用の仕切りケース:文具類の整理に最適
- 卓上収納ボックス:よく使う書類や文具の取り出しやすさを確保
- クリア引き出し(3段程度):書類や文具を種類別に整理
- 衝立付きの小物トレー:受付周りの収納に
このようなゾーニングと適切な収納用品の選択により、必要な物品をスムーズに取り出すことができ、業務の効率化につながります。また、定期的な棚卸しの際も、ゾーンごとに実施することで、より効率的に作業を進めることができます。
整理・保管の基本的な考え方
効率的な備品・在庫管理の第一歩は、現状を正確に把握することです。特に期末の大掃除は、改めて保有している備品や在庫を見直す絶好の機会です。最低でも年に1回は全ての備品や在庫の棚卸しを実施し、使用頻度や必要性を評価しましょう。また整理・整頓・清掃の3Sを基本とし、職場全体で取り組むことが重要です。リサイクル可能な物品は適切に分別し、他部署での再利用を検討するなど、SDGsを意識し環境負荷の低減に努めましょう。
- 最低でも年1回は棚卸しを実施
- 使用頻度や必要性を評価
- 廃棄や寄付の検討も必要に応じて実施
継続的な備品管理改善のために
整理・保管方法は、定期的な見直しと改善が重要です。使いやすさの確認や無駄なスペースの有無、新たな課題の発見など、常に改善の視点を持ち続けることが大切です。また、備品の申請・承認フローや保管場所の利用ルール、在庫管理の担当者設定など、明確な社内ルールを確立することで、効率的な管理を継続することができます。
【社内ルールの設定例】
- 備品の申請・承認フロー
- 保管場所の利用ルール
- 在庫管理の担当者設定
備品や在庫の整理・保管は、一度きりの取り組みではなく、継続的な改善が必要な活動です。オフィスの整頓をきっかけに、自社に合った効率的な管理方法を見つけ出し、実践していくことで、より効率的な職場環境を作っていきましょう。
備品や在庫の保管方法を見直して、業務効率を改善してみるのは、いかがでしょうか。
※記事内のサマリーポケットの情報はすべて公開時のものとなります。料金・プラン等は変更となっている場合がございます。
2024年12月公開